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父親の威厳

40年ほど前までは、父親は家庭では大変怖い存在でした
皆様は覚えておられますか?
地震、雷、火事、親父、
この怖い天、災害の中に父親も含まれていたのです
当時は、お父さんが働いて家庭に入れるお給料は現金支給でしたね
お給料日には、お父さんが封筒に入ったお給料をお母さんに渡す。お母さんはお父さんに頭を下げてお給料を受け取る
それを子供が見ていて、僕達はお父さんのお陰でご飯が食べれるんだ
そう理解し、子供たちは成長していきました
お父さんは家族を守る大黒柱ともいわれていました
九美子家の父親も大変怖い人でした
何でも父の一言で、決まりました
父が絶対ダメだと言った事はダメなのです
ですから私と兄は、幼少期の頃から
おもちゃが欲しくて駄々をこねるなんて一度たりとも無く、何でも父のひと睨みで諦めたものでした
私は、そんな強くて賢くて怖い父を小さいながらにも大変尊敬していましたが、やはりお父さんは怖かったです
また、お父さんの枕は絶対跨いではいけない
敷居は踏んではいけない
ハサミは跨いではいけない
流し台の排水溝には台所の神様が居られる
絶対に熱湯を流してはいけない
そんな昔からの言い伝えも、父は幼い私に丁寧に教えて下さる優しさもありました
父が自宅に居ます時は、私はいつも神経がピリピリしていました
それは、父は怒ると怖かったからです
やがて私は中高生になりましたが、
父が一家の家長であり、家族の優先順位は一位でしたので、父には反抗しました事はありませんでした。もちろん兄も父に一度だけ逆らった事がありましたが、父が怖くて話もあまり出来ないでいました
それが日本のお父さんだと私は思っています
所が、今はいったいどうなってしまったのでしょうか?
子供が欲しがる物は全て与え、ご飯前だというのにお菓子を与える
食事中でも、子供がスマホを操作しながら食べるのを叱らない
家庭で叱られないから、何処で食事をしてもスマホを操作しながら食べる
会社に就職しても、働かなくても親が直ぐ欲しいものを買ってくれるから、会社も辞めてしまい、居心地の良い実家でニートとなる
やがて子供は親の年金を当てにし、働く意欲を失う
それは、親が子供が小さいうちから何でも我が儘を聞き入れ、時分で動き物を得るという事を、教えなかったからです
そしてそれに親は早く気づかなければいけません
何故なら親には老いがやって来るからです
気づけば子供は親より強い大人となっています
こうなってきますと、自宅で自分の我が儘が通らず暴れまくる子供を、年老いた親は制止する事は出来ません
可愛いから、可愛そうだからと親が子供に手をさしのべ過ぎてはいけないのです
突き放し、苦労をさせ、恥をかかせ努力をさせないと、基礎が無い大人となるのです
今からでも間に合います
私も、子育ては命を懸けて行って来ました
私は厳しく怖い母親でした
でも、我が子達はそんな私を理解し、努力し育ってくれました
子供に優しく接するだけが素晴らしい親ではありません
一人の人間として、一人立ちが出来る人として、責任を持って育て上げるのが親です
どうかそれに気づいて下さいね
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